Arduino DUEでLチカする(Arduino入門)

筆者はこれまで仕事では組み込みシステムの回路設計などを業としてきて,プライベートでは電子工作したりで,組み込みシステムのコードをちょこちょこ書いたりはしてきたのだが,実はArduinoはちょこっと触ったことがあるだけであった.そんな背景もあって,今回仕事でもプライベートでも使える治具をArduinoで開発していこうと思った次第である.せっかくなので,Lチカから最後治具として完成するまでを自身の忘備録としてこの技術ブログに残しておくことで,これからArduinoを始める方の役に立てばと考えている.

Arduino DUEの購入

今回はArduino DUEを購入した.Arduino DUEはArduinoシリーズで初めてCortex-M3 CPUを採用したマイコンボードで,Arduinoシリーズでは珍しく動作電圧が3.3Vである.その特徴は以下のとおりである(SWITCH SCIENCEより引用).


Arduino Due 32bit ARM Cortex-M3 開発ボード A000062

  • MCU(マイクロコントローラ):AT91SAM3X8E
  • 動作電圧:3.3V
  • 入力電圧(推奨):7~12V
  • 入力電圧(定格):6~20V
  • デジタルI/Oピン:54本(内12本はPWM出力可)
  • アナログ入力ピン:12本
  • アナログ出力ピン:2本(DAC)
  • 全I/Oピンの合計最大出力電流:130mA
  • 3.3 Vピンの最大電流:800mA
  • 5 Vピンの最大電流:800mA

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購入したArduino DUE

統合開発環境 Arduino IDEのインストール

Arduinoは専用の統合開発環境が無料で提供されているので,以下からインストーラを手に入れる.
www.arduino.cc
筆者はWindows10なので,下図の赤枠の個所からインストーラを手に入れる.Mac OS向け,Linux向けも提供されているので,自身のPCに合わせてダウンロードする.

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Windows向けのArduino IDE
Arduino IDEの起動とArduino DUEの接続
Arduino IDEをインスールできたら立ち上げてみる.立ち上げると以下のような画面が立ち上がる.
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Arduino IDE 起動画面
次に,下写真のようにArduino DUEとPCをmicro USBで接続する.コネクタが二つあるので注意.(Arduino DUEをPC接続したとき,Arduino DUE用のいくつかのパッケージをインストールする必要があるといわれた場合は,それに従ってインストールする)
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Arduino DUEとPCの接続
次の,接続されているボードを選択する.「ツール」→「ボード」から今回はArduino DUE(Programming Port)を選択する.他のArduinoシリーズを購入した場合は,そのボードに合わせて選択する.
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ポートの設定
次に,Arduinoと通信を行うために,COMポートの設定を行う.私の場合はCOM3に接続されているので,これを選択する.これで準備は完了.
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COMポートの設定

Lチカする

Arduino DUEのピン配置は右記URL(Arduino - PinMappingSAM3X).Arduino DUEにはすでにDigital Pinに接続されたLEDが用意されている.ピン配置の表を見ると,Digital Pin 13にLEDが接続されていることがわかる.

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Digital Pin 13(LED)
Digital Pin 13のLEDを制御するために,以下のようなコードを書く.LEDを100ms点灯させて,LEDを200ms消灯させる.これを繰り返すプログラムである.

#define LED_PIN 13
void setup() {
 pinMode(LED_PIN, OUTPUT);
}
void loop() {
 digitalWrite(LED_PIN, HIGH);
 delay(100);
 digitalWrite(LED_PIN, LOW);
 delay(100);
}

コードが書けたら,右矢印「→」を押してマイコンへの書き込みを行う.書き込みが完了したら,「ボードへの書き込みが完了しました」となる.

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マイコンへの書き込み
書き込みが完了したら,LEDが意図した通りに点滅していることを確認する.写真ではわかりにくいが,赤丸で囲っているLEDが橙色に点滅していることが確認できた.
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LEDの点滅確認

まとめと今後

今回は動作確認も兼ねてArduino DUEでのLチカの手順を紹介した.今後,治具開発を進めるので,センサからのデータ取得や,表示機の制御(現段階では有機ELを想定している)など,その手順やコード内容を紹介しながら忘備録として残していく.
あと,実は師匠からVisual StduioがArduinoの開発環境を提供していてとても良いという情報を頂いている.せっかくなので最初はArduino IDEを使ってみたが,たぶんどこかのタイミングで切り替えると思う.切り替えると,その使い勝手の良さにもう戻れないらしい…